私のお家は、15年前の阪神大震災の時に倒れた高速道路から遠くない
所にあります。
お父さんとお母さんとエル兄ちゃんは、阪神大震災が起こった時には
お家にいたそうです。
沖の方から地鳴りが近づいてきたかと思うと寝ていた体が宙に浮いた
と、お父さんが言ってたよ。
家具はみな倒れ、お家の中はめちゃくちゃになって、大津波がくれば、
もうダメかも知れないねとお父さんとお母さんは思ったそうです。
でも、なぜか不思議なことに、その日だけ、家具の無い部屋で寝たの
で、家具の下敷きにならずにすんだんだそうです。
神様がケガをさせないように仕向けたのかな?
そして、エル兄ちゃんは、あまりの怖さで倒れた家具の下に入り込ん
で、ブルブル震えて、なかなか出てこようとしなかったんだって。
エル兄ちゃんは、それから数日間、水を時々飲むだけで、何も食べな
かったらしいです。
お父さんとお母さんは、お友達や知り合いの人がたくさん亡くなって、
身も心も辛い生活を続けないといけなかったそうです。
そんななかで、元気になったエル兄ちゃんに癒され、励まされたって
お父さんとお母さんが言ってたよ。
私もエル兄ちゃんのように、精一杯、お母さんを和ませ、お父さんを
元気づけようと思ってます。
エル兄ちゃんは、震災の4年後に、お父さんの仕事帰りを待って、お
母さんと二人にに看取られて、眠るように天国に行ったんだそうです。
震災で亡くなられた人達、ワンちゃんや猫ちゃん、エル兄ちゃんが、
天国で心安らかに過ごしていますように...
そして、風や光になって私たちを見守っていてくれますように...
ナナ
今は天国にいるエル兄ちゃん